1.設立の趣旨 かつて大分県においては16世紀に大友宗麟がキリシタン文化の華を咲かせ、西洋医学、西洋音楽などの先進文化を持ち込んだ。 また、江戸時代から明治にかけては、三浦梅園、麻田剛立、広瀬淡窓、福沢諭吉などの学者・教育者たちが、当時の最先端の科学や 思想を日本に紹介し、あるいは生み出し、さらには数多くの後継者を育て上げている。 一方、現代の我々は、大分らしい豊かな文化、特に科学・技術の分野において、21世紀の大分に相応しい文化・教育のための ハードウェアおよびソフトウェアを準備しているだろうか。さらには、大分の将来を託すべき子供たちに「大分の子どもで良かった。」 と思えるような夢を与えているだろうか。 このような問題意識の下、確かな科学的思考と豊かな感性に支えられた子どもを育て、グローバルな視野に立った大分生まれの 地球市民を創り出すため、『大分青少年科学館:サイエンス・ミュージアム(仮称)』を設置することを提案し、この目的を達成する ため、ここに「大分に青少年科学館を作る会」を設立する。 2.科学普及教育施設に関する現状 ● 全国の人口40万人以上の都市41市(東京23区を除く)の内、いわゆる科学館に類する施設が設置されていない都市は 4つある。(2003.10.1の推計人口による)その内、西宮市(人口:456,037人)は神戸市、横須賀市(人口:430,436人)は 横浜市、福山市(人口:406,182人)は広島市−岡山市の科学館が利用可能であり、大分市(人口:442,219人)のみが、 全国で唯一40万都市として科学館が利用できない都市となっている。 ● これを全国の県庁所在地でまとめてみると、全国47県庁所在都市の内、科学館が設置されていない都市は9つあり、 その内、津市(三重県)、鳥取市(鳥取県)、松江市(島根県)、佐賀市(佐賀県)の4市は10万都市、水戸市(茨城県)、 徳島市(徳島県)の2市は20万都市、奈良市(奈良県)、高知市(高知県)の2市は30万都市であり、大分市は科学館を 持たない最大の県庁所在地である。 ● 都道府県レベルで整理した場合、理工学分野を含む、いわゆる科学館を県下に持たない県は、大分県以外では、高知県等 数県しかなく、科学普及教育施設に関して、全国でも最低レベルの県となっている。 3.『大分青少年科学館:サイエンス・ミュージアム(仮称)』の理念 ● 教科書的な知識をただ教えるのではなく、科学に対する興味と自然に対するセンス・オブ・ワンダー(驚きの心)を芽生え させることを目指す。 我々を取り囲む自然、宇宙の素晴らしさや美しさを学ぶとともに、未来に対する夢とかけがえのない命の大切さを理解できる 場を提供する。 ● 科学館の施設、展示、プレゼンテーションは、基礎的なものから最先端の科学まで、あくまでも本格的なものを目指す。 ただ見るだけでなく、物にふれて参加できる、日常生活や学校では味わえない知的興奮に包まれた空間を提供する。 ● 行政が科学館を作り、それを市民や子どもたちに与える、といったこれまでの枠組みを脱却し、 [市民−教育現場−大学−行政]が有機的に連携し知恵を出し合って(協働:コラボレーション)、科学館を建設し運営する。 ただ科学館を作るのではなく、科学館を利用するユーザーから作り出し、科学館を常により良いものにしていくような 社会的システムを構築する。 4.『大分青少年科学館:サイエンス・ミュージアム(仮称)』の建設に向けて 我々「大分に青少年科学館を作る会」は、以下の活動を行う。 ● 科学館建設を目指して、具体的にハードウェア及びソフトウェアプランを作成し、行政に提案する。 ● 科学館の運営方法、事業内容などにつき、計画段階から実施段階まで、プランを作成し、行政に提案する。 ● 科学館のユーザーを開拓するため、教育現場、PTA、ボランティア団体、産業界等を中心に、幅広く「作る会」会員を募集する。 2005年1月29日 |