「大分青少年科学館(仮称)」の概要
2004年5月
大分に青少年科学館を作る会
1.施設の概要
「大分青少年科学館(仮称)」(以下、科学館という。)には、次に掲げるゾーンを設けるものとする。
【ギャラリー:展示サイト】
○ 自然科学、工学に関係した啓発的・教育的展示
○ 自然科学、工学に関係した研究的・発表的展示
【プラネタリウム:映像プログラムサイト】
○ プラネタリウムを中心とした映像的・教育的・娯楽的施設
【天文台:オブザバトリーサイト】
○ 天文台及び付属施設
【実験室・会議室:イベントサイト】
○ 科学教室等、学校教育的プログラムの開催
○ サイエンスショー等、娯楽的教育プログラムの開催
【レストラン:ユーティリティサイト】
○ 誕生パーティ、お楽しみ会向け会場
○ 体験的宿泊児童への対応(スリープ・オーバー)
2.各サイトの概要
(1)ギャラリー:展示サイト
A.設置の目的・ねらい
○ 自然の驚異、美しさ、大切さを実感させることにより、身近な郷土大分から地球全体、ひいては宇宙のかけがえのないことを認識させる。
○ 自然科学に対するより深い理解と興味を喚起し、大分における理科教育活動の中心となる。
B.具体的案
パワー・オブ・テン (Powers of Ten):
我々の宇宙(自然)を3つの座標軸(視点)でとらえ、微視的現象から巨視的なものまでを統一的に展示し、理解させる。
a) 大きさ・距離の座標軸(視点)
1) 微視的世界(小さな小さな世界)10-18m〜10-6m
・クォーク〜細菌までの世界を展示、解説する。
・量子論、素粒子論、原子論、分子論、化学反応、細菌学等の基礎的理解。
電子顕微鏡をのぞく:
極微の世界を電子顕微鏡を使って実際に操作し、のぞいてみよう
2) 日常的世界(我々の世界)10-5m〜107m
・細胞〜地球までの世界を展示、解説する。
・力学、熱力学、光学、電磁気学、化学反応、生物学、医学、地学、気象学、等の基礎的理解。
ネオン発光に関する展示:
原子番号10の希ガス元素ネオンをガラス管に封入して放電。ネオンサインの勉強をします
鏡による光の反射の体験:
まっすぐに進む光が不思議な鏡のせいで色々面白い姿を見せてくれます
力の変換に関する展示:
滑車やてこを実際に動かしてみて、力の伝わり方のメカニズムを勉強します
3) 巨視的世界(はるか遠くの宇宙)108m〜1026m
・月〜クェーサー(宇宙の果て)までの世界を展示、解説する。
・天文学、宇宙物理学、宇宙論等の基礎的理解。
天球儀による星座:
星座を宇宙の外から見たら
どのように見えるかな?
[展示室の配置案(四次元立方体的に配置した大きさ・距離の座標軸)]
b) 時間の座標軸
1) 宇宙の初期(生まれたての宇宙〜はるかな過去)10-18s〜1017s
・宇宙誕生の瞬間〜地球の誕生までの世界を展示、解説する。
・宇宙論、天文学等の基礎的理解。
2) 日常的世界(我々の世界)4.32×1017s
・細胞〜地球までの世界を展示、解説する。[ a)-2)に同じ ]
・力学、熱力学、光学、電磁気学、化学反応、生物学、医学、地学、気象学、等の基礎的理解。[ a)-2)に同じ ]
斜めの部屋:
いろいろな錯覚を体験できる不思議な部屋
3) 宇宙の未来(恒星と宇宙の進化)1018s〜
・ガスから生まれ進化する太陽と宇宙の未来について展示、解説する。
・天文学、宇宙論等の基礎的理解。
銀河の立体模型:
我々の住む銀河系は直径10万光年の円盤型をしています。それを立体的な模型で実感しましょう。
[展示室の配置案(時間の座標軸)]
c) 生命の座標軸
1) 古代の地球(生命誕生〜哺乳類出現)△1.1×1017s〜△2.0×1015s
・生命誕生の様子〜哺乳類が繁栄するまでの世界を展示、解説する。
・分子生物学、古生物学、生物学等の基礎的理解。
恐竜の世界:
ステゴサウルスの全身骨格やティラノサウルス、トリケラトプスの恐竜模型を展示
2) 生命の神秘(地上にあふれる命たち)±0s
・惑星地球にあふれる生命の世界を展示、解説する。
・生物学、人類学、医学等の基礎的理解。
あべこべの耳:
もしも人が左右から聞こえる音をあべこべに聞いたとしたら?
3) 宇宙に広がる人類(宇宙ステーション、惑星移民)+3.2×108s〜
・宇宙に進出する人類の未来世界を展示、解説する。
・宇宙工学、宇宙生物学、天文学論等の基礎的理解。
月面ジャンプ:
月面における重力をマシンを使って実際に体験する
[展示室の配置案(生命の座標軸)]
(2)プラネタリウム:映像プログラムサイト
A.設置の目的・ねらい
○ 視覚・音響メディアによる教育的、情緒的、娯楽的なやすらぎ空間を提供することにより、子供から大人までの広い層に自然への愛情と科学への興味を訴える。。
○ 学校教育における理科教育の一環としてカリキュラムを提供する。
B.具体的案
ビューティ・アンド・ワンダー (Beauty and Wonder):
古代ギリシャ神話に彩られた星座たち、世界の大望遠鏡による美しい星雲、銀河の写真、未来への希望に満ちた宇宙開発の模様などを投影、解説する。。
a) 施設
・規模
ドーム直径 17m程度
座席数 160席程度(4クラスが同時に使用可能)
・プログラム
手動式解説 学芸員、専門職員による教育的な投影プログラム。
3人〜4人程度の解説スタッフが必要。
自動式解説 映像と音楽を中心とした教育、娯楽的プログラム。
季節的なもの 各1×4シーズン=4本
テーマもの 8本
・プログラムの拡充・充実
スタート時においては、上記に掲げた本数が最低限必要と思われるが、リピーターを確保する上で、毎年のプログラム拡充が必須の条件となる。また、学芸員が自らプログラムを作成できるような方式も確保すべきである。いずれにせよ新規プログラムの予算と自主制作のための方式検討が必要である。
(3)天文台:オブザバトリーサイト
A.設置の目的・ねらい
○ 星からの生の光を直接目で見ることにより、本物の自然の美しさ、大切さを実感する。
○ 天文・自然に対するより深い理解と興味を植え付け、野外理科教育活動の一翼を担う。
B.具体的案
ソーラー・システム (Solar System):太陽系
地上生命の源である「太陽」、麗しき光を放つ「月」、様々に変化し動き回る「惑星」等、太陽系の諸天体を観察、観望する。
スター・アンド・ギャラクシー(Stars and Galaxies):恒星と銀河
あらゆる色彩できらめく「星々」、美しさと激しさを併せ持つガス星雲、豊かに横たわる銀河宇宙等、銀河系内から系外天体を観察、観望する。
a) 一般公開施設
・使用目的
生徒の一般的学外授業、一般人への公開に使用する。
・観測室
観測室内寸 6m×8m(又は4m×10m)程度
観測用屋根 スライディングルーフタイプ
・望遠鏡
架台形式 赤道儀式
鏡筒形式 屈折式(アポクロマート)
サイズ レンズ口径 15cm〜20cm
台数 4台(又は3台)
・双眼鏡
サイズ レンズ口径 15cm
台数 2台
科学館屋上に設置される天文台
(4)実験室・会議室:イベントサイト
A.設置の目的・ねらい
○ 自然現象を体験することにより、自ら問いかけ、考えることができる人間を形成する。
○ 学芸員、指導員と一緒に、より深く楽しい学習・娯楽を体験する。
B.具体的案
ラボラトリー (Laboratory):実験室
種々の理科実験、工作等を行うことにより、科学に対するより深い理解と興味を植え付ける。(高学年向け)
サイエンス・ショー(Science Shows):おもしろ科学ショー
いろいろな科学パフォーマンスを体験することで、理科の楽しさにふれる。
(低学年向け)
(5)レストラン:ユーティリティサイト
A.設置の目的・ねらい
○ 科学館をより身近な施設として利用してもらうため、日常生活の一部として利用できるようにする。
○ 夜間利用者の食事等の生活をサポートする。
B.具体的案
レストラン (Restaurant):パーティルーム
誕生日会、クリスマス会等に利用する。(おもしろ科学ショーのサービスがある)
レストラン (Restaurant):夕食・朝食室
スリープ・オーバーのための夕食及び翌朝の朝食を提供する。
ユーティリティ (Utilities):シャワー室、トイレ等
スリープ・オーバーのための生活関連施設を提供する。
(1)スリープ・オーバー(Sleepovers):科学館お泊まりパック
科学館での宿泊研修として、日中の来館では経験できないようなサービスを提供する。
○ サイエンス・ショーへの参加ができる。
○ 学芸員、指導員に1対1で直接に普段不思議に思っていることを質問できる。
○ 宿泊は、科学館の展示室でロボットや楽しい展示物に囲まれながら行う。
END
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